「魔の2歳児」を考える

2歳頃のお子さんを持つお母さんより「魔の2歳児」についてご相談をお受けします。

2歳児の「自制心の育ち」について、以前のブログにも書きましたが、改めて、考察したいと思います。


「自制心」 読み方:じせいしん
自分自身の感情や欲望などをうまく抑えたりコントロールしたりする気持ちや精神力のこと。


たくさんの勉強をして、素晴らしい学歴を持って、一流の会社に入った人でも、自制心の不足により、不祥事を起こしてしまう人もニュースを見ていても沢山います。

人がたくましく生きていく力として、自制心は不可欠です。


「魔の2歳児」と言われる時期は、思春期と同じように心のコントロールが難しい時期でもあります。その、「心のコントロール」=「自制心」を育むにはどうすれば良いのでしょうか。


以下の幼児教育の効果に関する海外調査データをご覧ください。

ブルーで書いてあるEmotionalControlというのが自制心にあたります。

横軸が年齢ですが、自制心の育ちのピークが1歳~2歳くらいになっていることが分かります。自制心に必要な脳機能が発達する時期が1歳~2歳。それ以降は下降していき、3歳~4歳にかけてグンと下がっていることが分かります。

つまりは、

1歳~2歳の時期に自制心を育てておかないと、その後には、自制心の育ちが緩やかになってしまうということです。

いわゆる、我慢する心や、相手を思いやる心、感情をコントロールする力などというのは、大きくなていきなり身に着くものではなく、生まれてからすぐに発達していく力であるというのが良く分かります。


では、実際、自制心が育つために親のアプローチはどのようなものである必要なのか。ということを考えてみたいと思います。


自制心の欠如と思われるような事件が最近のニュースでも話題になっています。立派な大人だと思われていても、自分自身の欲求、感情をコントロールできない人が増えているのでしょうか。

脳の発達から見ると、幼少期の環境、親のアプローチが関係しているのかもしれません。


自制心はどのようにして身に着いていくのでしょうか。

おそらく、我慢を強制させたからといって身に着くものではないように思います。実際に、我慢をさせられて親の目を離れれば、極端に抑圧されていた感情や欲求が爆発するような事例を耳にする機会がたくさんあります。


自らの体験を通じて、自ら自制する心、感情コントロールが必要だと感じれる環境によって、自ら育っていくものではないでしょうか。自制心というのは常に他者に対し必要な力となります。他者との関係性、社会とのつながりを持つために、必要な力です。自己中心的で利己的な考えでは社会の中で生きることは不可能です。


子どもたちの社会スタートは、子どもの集団の中にあります。おもちゃの取り合いをしたり、ケンカをしたり、自分自身の思いが通ることがない環境がまさに社会であり、自制心が必要とされる環境です。


大人がその環境を整備すればするほど、自制心の育つ機会がなくなっていきます。1歳~2歳くらいはもちろんよくケンカもしますし、人間関係においてトラブルを起こすものです。

また、その環境を止めることは大人にとっては案外簡単なものです。その子を別の部屋に連れていったり、間に入って止めてあげることで容易にその状況は回避することができます。


しかし、そのトラブルを回避させることにこそ、自制心の育ちを妨げる要因となっているの可能性もあります。子ども同士の関わりの中で、コミュニケーションだったり、順番を守ったりする経験を通じて、集団の中で社会的なスキルを学んでいきます。トラブルがあり、それをどのように解決するのかという力が目に見えない部分で少しずつスキルとして身に着いています。子どものトラブルは、自主的に自分を抑制したり、感情をコントロールする機会のはずが、それを排除してしまう環境に、自制心の育ちがスムースにいかない要因もあるように思います。


お母さんと子ども、1対1の関係では、社会性の育ちには不十分です。子どもたちは集団の中で、困った機会があり、失敗する権利を持ち、それを解決するプロセスこそが自制心の育ちではないでしょうか。


「魔の2歳児」は、矛盾しているようですが、脳の発達的に自制心(心のコントロール)を大きく成長させる時期です。


であれば、


子どもたちは、もしかすると、私たちに全力で「お母さん、気持ちを抑える方法を教えてよ!」「お父さん、思うがままに行動してみるけど、おかしいことだったら教えてよ!」という訴えているのかもしれない。ちょっとあまのじゃくで、素直じゃないけど、そんな姿勢でも一番学んでいるのかもしれない。


大人で例えても、素直にウンウンと言っているからと言って本心で学んでいるかというとそうでもない時もあります。少し図星を言い当てられてイラッとしてしまいながらも、心の中では自分の学びになっていることも少なくありません。


2歳児は、生涯で一番、自制心を学んでいるのだけど、生涯で一番素直には学べない時期。

そう考えるともう少し子どもたちの心に寄り添うことができるようになるかもしれません。




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